「ジビエの季節になると鹿肉を使った料理を作りたい。」
そんな時にポワブラードソースを使ったソースを作りたいと考える料理人の方も多いと思います。
しかし、教わったポワブラードソースだけでは不安という方のためにここでは3つのポワブラードソースのレシピをご紹介します。
本記事はフランスに2年間留学し、ミシュラン2つ星レストランと1つ星レストランでの勤務経験のあるナカイによって書かれています。
料理人としても15年以上のレストラン経験があるので、多少は信用して頂けるのではないでしょうか?
本記事の内容
- ナカイのポワブラードソースの作り方
- エスコフィエのポワブラードソースの作り方
- クラシックなポワブラードソースの作り方
順番に解説します。
ポワブラードソースとは?
ポワブラードソースとは、胡椒のきいた甘酸っぱいソースです。
赤ワインビネガーやフルーツのピューレをなどをいれて作ります。
ちなみに、ポワブラードソースにグロゼイユ(スグリ)のジャムを加えると「グランブヌール」というソースになります。
果実のピューレやイチジク、ブルベリーのジャムなどを加えても美味しいです。
ナカイのポワブラードソースの作り方
まずは僕のオリジナルのポワブラードソースの作り方についてご紹介していきます。
分量
- ジビエ骨やクズ肉 500g
- コニャック 30g
- 玉ねぎ 40g
- 人参 40g
- セロリ 15g
- エシャロット 20g
- にんにく 1かけ
- 赤ワイン 600g
- 強力粉 10g
- 赤ワインビネガー 70g
- フォンドボー 700g
- タイム 適
- ローリエ 適
- 黒コショウ 20粒
- ピュアオイル 適
作り方の手順
- ジビエの骨やくず肉などをオーブンで色づくまでしっかりとローストします。
- 玉ねぎ、人参、セロリ、エシャロット、ニンニクは2cm角くらいに切り、フライパンで色づくまでソテーします。
- 鍋に①、②、強力粉を入れ粉気が飛ぶまでしっかりと炒めます。しっかと炒まったら、赤ワインビネがー赤ワインを入れ煮詰めます。1/3程度まで煮詰まったらフォンドヴォー、ローリエを加えます。
- 1時間ほど煮込み、仕上げにブラックペッパーを加え、塩、胡椒で味を調えて完成です。
エスコフィエのポワブラードソースの作り方
次に、エスコフィエのレシピのあるポワブラードソースの作り方をご紹介します。
作り方
- 人参100g、玉ねぎ80g、タイム、パセリの茎、ローリエをオリーグオイルで色づくまで炒めます。
- 10mlのお酢と20mlのマリナードを鍋に入れ2/3になるまで煮詰めます。煮詰まったら1lのエスパニョールソースを加え約45分煮込みます。
- ソースを濾す10分前に黒8個分の黒胡椒のホールを砕いて加えます。たみで漉してさらに35分煮詰めます。煮詰まったらバターを50g加えて完成です。
クラシックなポワブラードソースのレシピ
最後にクラシックなポワブラードソースのレシピについてご紹介します。
分量
- ジビエ骨やクズ肉 500g
- バター 30g
- ピーナッツ油 30g
- コニャック 200g
- 玉ねぎ 100g
- 人参 60g
- セロリ 20g
- エシャロット 30g
- にんにく 1かけ
- バター 20g
- ピーナッツ油 30g
- 赤ワイン 1,5L
- 強力粉 10g
- 赤ワインビネガー 180g
- フォンドボー 1,5L
- タイム 2本
- ローリエ 1枚
- 黒コショウ 8粒
- バター(モンテ用) 30g
- ピーナッツ油、塩 適
作り方
- ジビエのくず肉とスジをバターとピーナッツ油で色がつくように炒めます、ザルに挙げ余分な脂をきります。コニャックで焼き汁を溶かします。
- 別な鍋に次のバターとピーナッツ油を熱し、ミルポワを軽く色づくまで焼きます。①の肉を加え強力粉を振りかけます。
- 赤ワインビネガーを加え、3分の1まで煮詰めます。赤ワインと①の焼き汁を加えさらに3分の1まで煮詰めます。
- フォンドヴォーとパセリの茎、タイム、ローリエを加え、約3分の2の量になるまで煮詰めます。
- シノワで別鍋に濾し入れ、一度沸騰させてよくアクを取り、約800ccになるまで煮詰めます。仕上がる10分前に、潰した黒胡椒を加え、目の細かいシノワで濾して、塩で味を整えます。最後にバターでモンテして完成です。
ポワブラードソースを作るポイント
- 各ジビエを前日から赤ワインなどでマリネしておくと、より旨味が引き出せるので前日からマリネする方がオススメです。
- 食材をしっかりとローストする。
- レシピにはフォンドヴォーとなっていますが、フォン・ド・ジビエやフォン・ド・シブルイユなどを使うとより複雑な味を作ることができます。
ポワブラードソースで使っている食材はこちら
この記事で紹介した、ポワブラードソースを作るための、調味料をご紹介します。
ぜひこちらの食材や調味料を使ってポワブラードソースを作ってみてください。
いつもとは違った味わいのものが作れます。
ピーナッツオイル
非常に丁寧に作られた、最高品質の100%天然落花生油です。フライ、サラダ、マヨネーズ、ソースなどあらゆるお料理、製菓用としてご利用いただけます。
カベルネソーヴィニヨン
現在のオーナー、ジャン・クロード・マス氏によって「高品質であると同時に低価格である事」にこだわったワイン作りに変貌しました。
経験豊富な鋭い味覚によって生み出されるジャン・クロード・マス氏のワインは2006年には業界初となる「最優秀国家起業家」、2008年には「ニューウェーブ・オブ・ザ・ワイン」としてフランスを担う30人の醸造家にも選ばれました。
マイユ赤ワインビネガー
厳選された上質の主にフランス産の赤ワインで作ったワインビネガー。
赤ワインの風味を生かしつつ、コクと深みのある伝統的な味わいです。
肉料理や魚料理のソースにも最適なビネガーです。
キスコ フォンドヴォー
キスコのフォンドヴォーは「選び抜かれた最上級の仔牛骨と新鮮な野菜を使用し、じっくりと煮込みました。
完成度が高く、コクと旨みが十分にあるので、あまりに詰めずにどうぞ」というキャッチコピーの元作られています。
ナカイのおすすめ!ソースに関するレシピ本
ここではスペインのミシュラン3つ星レストラン【エル・ブジ】、フランスのミシュラン2つ星レストラン【ビガラード】、フランスのミシュラン1つ星レストレン【オーギュスト】に勤務経験のあるナカイのおすすめのソースに関するレシピ本をご紹介します。
ソース -フランス料理のソースのすべて-
上柿本シェフによる2007年に出版されたソースのレシピブックです。
僕も購入して何度も何度も読んだレシピ本です。
先輩から言われたソースを調べたり、料理に合わせるソースを考えたりする時には何度も読み返せ流本です。
基本のソースは全て書いてあります。
料理だけでなくデザートのソースまで網羅しているので、この1冊のレシピを全て覚えればソースに関して困ることはないです。
ソース・バイブル
東京を代表するフランス料理のシェフが集結!
東京のフレンチを代表する以下のシェフたちのレシピを知ることが出来ます。
- シェ・イノの古賀シェフ
- 銀座レカンの高良シェフ
- ボンシュマンの花澤シェフ
- リューズの飯塚シェフ
- スウリルの湯澤シェフ
- レストランコバヤシの小林シェフ
- エミュの笹島シェフ
- レストランタニの谷シェフ
- ル・ジュー・ドゥ・ラシエットの高橋シェフ
以上の錚々たるシェフたちの、自慢のルセット(レシピ)を公開しています。
フレンチの心臓にあたるソースのつくり方を解説!
ベーシックなフォンやジュ、それらから作られるソース、素材別のフォンやジュ、それらをいかしたソース、おもにサラダに使用されるヴィネグレットソース、そしてデセール(デザート)に使われるソースを解説。
こちらはKindle本にも対応しているので、部屋に本が置けないという方にもおすすめです。
美味しいポワブラードソースの作り方まとめ
いかがでしたでしょうか?
3つの種類のポワブラードソースの作り方に解説していました。
どのソースが一番美味しいかと言われたら、「ナカイのポワブラードソース」です。
なぜなら、自分で自分の好みに合わせて作っているからです。
美味しいの基準は人それぞれなので、3つとも作って食べ比べてみてください。
その中でそれぞれの良い部分を利用して、あなたオリジナルのポワブラードソースを作ってください。
大事なことなので、最後に美味しいポワブラードの作り方をおさらいしておきましょう!
ポワブラードソースを作るポイント
- 各ジビエを前日から赤ワインなどでマリネしておくと、より旨味が引き出せるので前日からマリネする方がオススメです。
- その際に使用した赤ワインは煮込むときに使います。
- レシピにはフォンドヴォーとなっていますが、フォンドジビエやフォンドシブルイユなどを使うとより複雑な味を作ることができます。
でしたね。
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